なぜ株価は実体経済と乖離して高まり続けているのか。

2020年12月30日、今年最後の取引となった東京株式市場の日経平均株価は2万7444円。これは、年末の株価としては1989年以来、31年ぶりの高値だそうです。

一方で、実体経済はどうでしょうか。
「景気が良いなぁ」と感じている人は、あまり多くないのではないでしょうか。

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確かに一部の業界は、コロナの影響で売上げを伸ばす。

IT企業や製薬会社、ドラッグストアやスーパーなどの小売、さらにはゲーム会社などコロナ禍の中で売り上げを伸ばした企業はたくさんあります。一方で、百貨店や外食産業、観光やホテルなどは今でも厳しい状況が続いています。

業界によって、明暗は分かれてしまっていますね。

全体で見ると、例えば一つの指標として、この冬のボーナスはどうでしょうか。

経団連(日本経済団体連合会)から、その会員である大手企業が支給する冬の賞与・一時金(ボーナス)の最終集計が公表されました(令和2年12月22日公表)。平均妥結額は、昨年の最終集計に比べ9.02%減の「86万5,621円」となっています。

https://www.psrn.jp/topics/detail.php?id=13940

残念ながら、前年比で減少しているようです。
このことからも、なかなか好景気とは感じにくい状況です。

私の近所でも、コロナの影響で閉店するお店が見られました。
長年続いていたお好み焼き屋も・・。残念です。

ではなぜ、こんな状況なのに、株価は高値を更新し続けるのか。

コロナショックで最も株価が下がったのは3月。

3月中旬、日経平均株価は1万6552円まで下落しています。
逆に言えば、この8ヶ月間で2万7444円まで回復した訳ですから、ものすごいスピードです。

株価高値の要因。

すでに株式バブルは発生していると見られています。
世界経済の実体を見た時に、あまりに株価は高すぎると。

その主な要因と言われているのは下記の通りです。
・新型コロナウイルスワクチンへの期待感
・アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)などによる大規模な金融緩和=低金利環境の継続
・FRBに続き、日本銀行や欧州中央銀行も追加緩和
・11月の大統領選。バイデン氏が大統領になっても、経済の面ではあまり大きなマイナスはないだろうとの思惑。
・各国による経済政策。
・日銀による年12兆円を上限に上場投資信託(ETF)の買い入れ=株式市場に直接資金を供給

つまり、「景気刺激的な財政金融政策がこの先も続いていくだろう」という予想が、市場全体の株価を正当化し、押し上げているようです。

いつ株価は下がるのか。

正直、全くわかりません。
ただ、「いつまでも株価が上昇し続けることはない」とは断言出来るでしょう。
歴史を見ても、間違いなく。

そもそも、株価の大暴落というのは、10年に一度のペースであるようです。その下落期間は1年8ヶ月〜3年ほど。そう考えると、今後、今回のコロナショックによる二番底がないとも言い切れないと思います。

どこかのタイミングで株価に調整が入り、先行きへの懸念から急速に売りが先行する時も来るかもしれません。

株価は全く予想が出来ませんね。

しかし、実態経済と株価の差は、このような理由で生まれると言うことは認識しておきたいと思います。

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