「持ち家」を購入することのリスクについて。

賃貸と持ち家論争について。
これに答えはありません。
私も過去に購入を検討したことがあるので、この問題には敏感です。

今のところの結論としては、

どうしても欲しい理由があるなら購入する。それ以外は買わない。

という事で、どちらかというと賃貸派で落ち着いています。

そもそも、人の生活スタイルや価値観で答えは変わってきますしね。
今のところ賃貸派ですが、今後もしかしたら持ち家を購入するかもしれません。
今回は、過去に備忘録として書き留めていた「持ち家」を購入するリスクについてまとめます。

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資産価値が上がる住宅ならどんどん買った方が良い。しかし現実は・・

住宅を購入するということは、不動産投資をしているのと同じだということを聞きました。
自分自身がオーナーであり、借主であると。

オーナー目線で見たときに、価値がどんどん下がる住宅を購入してしまうことほど虚しいことはないです。まさに、個人投資家として「価値が落ちない物件」だったら買った方が良いんですよね。

しかし、現実として、日本のほとんどの住宅は年数が経つにつれて物件価値が下がっていきます。戸建木造住宅なんかは、築30年で無価値と評価されてしまうんです。
*一方、アメリカは年平均で6%ほど上昇すると言われています。中古住宅の市場が活発であることが要因です。つまり、住宅を購入すること自体が資産形成に繋がっているわけです。

だからこそ、日本では「物件の見極め」が大事になります。特に、大事なのは「どこに立てる」か。ほとんどの住宅の価値は下がるのだから。土地の価格が今後値上がりするような場所に住宅を建てる事が出来れば、資産として見れるかもしれないわけです。

しかし問題は、「その見極めが簡単に出来るなら誰も苦労しない」という事です。
それほど、資産価値のある物件の見極めは難しいです。

地価が上がるのは都会くらい?

土地の価格が今後値上がりするような場所に住宅を建てる事が出来れば、資産として見れるかもしれないというお話をしました。

しかし今、実際に地価が上がると期待出来る場所は、都市圏の駅近物件くらいでしょうか。
特に徒歩圏内で生活が出来てしまうような土地であれば、将来も資産価値向上の期待を持てるかもしれません。結局は、そのエリアの人口が増え、住宅を欲しがる人が多い地域で家を購入する。それが鉄則です。

田舎の場合は、ほとんどのケースで買った瞬間に負債になると思います。資産を買うならわかるのですが、あえて負債を買ってどうするのかということは家族内でもしっかり話し合わなければならない事だと思います。

それでなくても、日本の人口はこれからも減り続けていきます。家を欲しいという人がどんどん少なくなっていくんです。欲しい人が少なくなれば、家の価格も減り続けていくでしょう。売る人が増えて、買う人が減っていくこの時代に、家を資産と考えるのは非常に難しいです。そのリスクを把握した上で購入しなければなりません。

住宅ローンは借金である。

この時代に、現金一括払いで住宅を購入出来る人は多くないでしょう。
ほとんどの方は、ローン契約を結んでいると思います。

確かに今、住宅ローンの金利は低いです。変動金利で0.5%未満の銀行もあるし、固定金利も1%前後でしょうか。バブル期には9%近くまで上昇したことを考えると、今がどれだけ低いかが分かります。
しかし、それでも借金であることに変わりはないんですよね。

なぜ、そういう借金であるにも関わらず、消費者金融から借りるのは否定されて、銀行から住宅ローンを借りるのは許容されるのか。しかも、その額は多くの人にとって自身の年収を遥かに超えていますよね。

仮に35年ローンを組んでしまった場合。
35年先の未来がどうなっているか想像出来るでしょうか。5年後や10年後ですらわからない、特に今は変化の激しい時代です。
・今、収入を得ているお仕事を変わらず続けられるのか。
・収入を増やせるようなキャリアアップや転職が出来ているか。
・独立して成功出来ているか。
・自分自身の「住宅」に関する価値観が変わっていないか。
・やりたいことや住みたい場所が変わっていないか?
・もしかしたら家族の病気や怪我で大きなお金が突然必要になるかもしれない。その時に滞納せずに支払いが出来るか。

アメリカのような中古市場が活発な国ならすぐに売れば問題ないかもしれません。しかし日本は、そう簡単には売れないです。すぐに現金化出来ないのです。それに、うまく売れても、驚くような低い価格にしかならないことがほとんどです。つまり、一度購入してしまったら簡単に売買出来ないというデメリットがあります。

少し前ですが、経団連の中西会長が終身雇用の限界を語っていました。現場にいれば誰でも薄々気づいている事ですが、すでに終身雇用の崩壊が始まっている中で、安定的に収入を得られる保証はないと言えます。

そもそもこの35年ローンが作られたのは、経済の安定成長期である1980年代頃。その頃は、給料も右肩上がりで定年後の退職金も年金もある程度の見通しが持てた時代だと言われています。

今は少子高齢化。年金も破綻はしないでしょうが、貰える額は分かりません。さらには、年収や退職金も減り続けています。そんな中で35年も安定してローンを支払える確証がなかなか持てないというのが正直なところです。

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