四月は君の嘘。

「四月は君の嘘」を観ました。
主演は広瀬すず(宮園かをり)、山﨑賢人(有馬公生)。監督は新城毅彦。原作は新川直司。

3年前に漫画を読みハマった物語で、実写化されたのは知っていたのですが、正直、「アニメ⇒実写化」に悪い思い出も多く、避けていました。

今回たまたま映画を見る機会があったので、パッと思いつく感想を書き記します。
※ネタバレを含むのでまだ読んでいない方は読み進めるのをご遠慮ください。
映画だと2時間に凝縮されていて、アニメにある様々なストーリー(それもかなり面白い)が多く省略されています。あくまで「映画を観て感じたことだけ」に限定して記載します。

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宮園かをりは、5歳の頃に見た感動を10年後も忘れていない。

この物語は、コンサートホール近くの公園で有馬公生と宮園かをりの二人が出会うところから始まります。でも、それはこの映画のスタートにそう描かれていただけ。本当はお互いが子供の頃からこの物語が始まっていました。

かをりは、5歳の時に見た公生の演奏に心を動かされ、大きく感動しました。その瞬間から、これからの「目標」が決まり、やりたいことが決まり、ワクワクする夢が決まった。

「公生君が伴奏、私がバイオリン、いつかセッションをしたい。」

こんな夢です。

かをりは、そんな夢を持ちバイオリンを磨き始めました。あの瞬間から、心が撃ち抜かれたあの会場から、かをりの人生が決まったんですね。

私はこの、
「一途にずっと夢見てきたこと」
どうしてもここにグッときてしまいます。

だって、難しいと思うんです。5歳の頃の夢や感動を高校生になっても待ち続けること。そして、その情熱を同じレベルで保ち続けること。

だから時が経ち、
・公生と再会出来たこと、
・夢を叶えられたこと
本当に良かったなと思いました。

※でも本当は、幼い頃の夢を持ち続けることが難しいというのは固定観念なのかもしれません。その時に受けた感動や影響は、長く人の心の中に染み込んで礎を築いていたりするものです。そこに蓋をしてしまう人と、いつまでも希望を持ち続ける人、2つのパターンがあるのでしょう。

こうして、一人の少女の人生を、行動を、生き方を、公生は意図せず決めてしまっていた。そんな力が演奏家にはあると言うことも一つ大きな魅力だなと感じました。まぁ天才は人の心を動かしているということに気付いていないんですけどね。

宮園かをりの勇気。

かおりは病気になり、中学生の頃から入退院を繰り返していました。そして、入院先の病院で両親の涙を見て、この先が長くないと悟ったそうです

そこから「勇気」を出して一歩を踏み出した。
コンタクトにし、髪型を変え、自由な伴奏をし、さらには、仲良し3人組の中に入り込み・・人生をカラフルに描いていった。

そして、一つの嘘をつきました。 その嘘が、ずっと憧れていた人を連れてきた。
至る所で宮園かをりの勇気を見ることが出来ます。

例えば、
「私のバイオリン、どうだった?」
と初めて公生に自分の演奏の感想を聞いた時。

この時、とても勇気を振り絞った質問だったと思います。返答が物凄く不安だったと思います。だって、10年間も憧れた人、一緒にセッションしたいと心から願っている人に、「そうでもない」という評価を受けたら・・。

それ以外にも、
・公生に伴奏をお願いした時
・手術を受けると決めた時

随所で、かをりの勇気を見ることが出来ます。明るく元気で自由なかをりですが、時折見せる不安そうな表情にまた引き込まれていきます。これは広瀬すずさんの表現力の賜物ですね。世代を代表する女優さんだなと思いました。

公生の心を動かしたかをり。

一人の女の子を突き動かすほどの技術と表現力を持った天才/有馬公生。彼は、母親の死によってピアノの音が聞こえなくなりました。そして、ピアノから逃げ続けてきました。

先程、かをりの勇気について書きましたが、まさに彼女が踏み出した一歩が、後にピアノから目を逸らし続けた公生の心を動かすことになります。

この物語、あまり強調して描かれてはいませんが、めちゃくちゃ熱いです。スポーツ漫画のようなある種の情熱を感じられます。そこがまた魅力なんですよね。楽しめる要素は、恋愛だけではないんです。

「弾けなくても弾けば良いのに。」
「君は忘れられるの?弾いてるときの気持ち。降り注ぐ拍手。自分の音楽が届いたあの瞬間。本当に君は、忘れられるの?」

こういったかをりの言葉と彼女の行動が、公生を立ち直らせたのですね。

最後に。

この映画は、
「お互いが意図しない場所で意図せず惹かれてしまった、運命の物語」
なんだと思います。

だからこそ。
10年近く思い続けたかをりの片思いが実って本当に良かった。短い時間だったけれど、良かった。

「君を代役に任命します。」

これ、かをりの気持ちを知ってしまうと、本当にグッとくる言葉ですよね。
※この映画、かをりの気持ちを知っている状態でみると、出会いの公園の場面、恐らく始まって10分もたたないうちから泣いてしまうので注意です。

あと、もちろんですが、漫画はもっとすごいです。
ぜひ、漫画も見て欲しい作品です。

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