よく考えないと、恐ろしい時代になりそうです。
とある研究結果によると、2007年に日本で生まれた子供の半数は、107歳より長く生きると推計されているそうです。日本は豊かで本当に恵まれています。これからますます、健康寿命が世界一の長寿社会となっていきそうです。
人生100年時代は「何がいちばん恐ろしい」のか。
それは、「引退後に何をして生きるか」だと思っています。
仮に100歳まで生きるとすると、例えば60歳の定年からその後、40年も時間が残っています。もちろん、身体も思考力も若い時と比べると大きく劣っていますが、それでも元気はある。何か「やるべきこと」がないと、心が病んでしまいそうです。
金銭的な問題もあるでしょうが、やはり「生きがいの喪失」は大きな問題です。しっかりと定年を迎える前に考えるべきことだと思っています。
「生きがい」の必要性について
そもそも、みんな「生きがい」なんて持っているのでしょうか?
例えば、今の60代/70代の方々は、猛烈に仕事をしてきた世代です。高度経済成長の中でまさに日本がイケイケの時代を体感しています。長時間の時間外労働も当たり前。家族よりも、仕事こそが私の「使命」という人が多かったと聞きます。ある意味で、日本全体に生きる意味(働く目標)のようなものがあった世代のようです。
そういう意味で、今の20代/30代とは明らかに価値観が違います。団塊の世代がとても頑張ってくれたおかげで、生まれた時からすでに「モノ」があった世代。ある程度、恵まれた日本に生まれた。その中で、先輩方のように「猛烈に働くモチベーション」を持つ事は困難です。満たされているからこそ、物欲がない世代。今の20代なんて、10代の頃からiPhoneを持てた世代ですからね。失われた20年の中で、日本全体に生きる意味(働く目標)を共有する事は難しい。
こうした世代間での価値観の変化は明らかなのに、まだまだその変化に日本の労働環境は対応し切れていないと言えると思います。
だからこそ、「生きがい」は自分自身で見つけなければならない。日本や政府が与えてくれるわけもなく。これからの世代は、生きる意味を自分たちで作り、行動していかなければならない世代です。
お金をもらえなくてもやりたいことは何か。
私たちに必要なのは、外部から与えられた目標などではなく、自分の中から見出された「生きがい」ですよね。
次の世代の人々は、衣食住が既に満たされていて、がむしゃらになる必要がない。最悪、生活保護もある。そういう状態で生きている。そんな中で「心を如何に保つか」が重要なのです。
若者のみなさん、例えば突然3億円が当たったらどうしますか。もう「一生お金を稼がなくても生活出来る」という状態になった時、人生100年時代をどのように生きていきますか?
生きる意味を考える必要がなかった世代は確かに存在するかも知れません。
でも、これからの時代は、ほぼ間違いなく、「生きる意味」を自ら見出していくことが必要不可欠な時代だと思います。
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