21卒採用を企業視点で振り返ります。②

前回の記事の続きになります。
21卒採用を企業視点で振り返ります。①

大きな混乱の起きた21卒採用。

『成功した企業と苦戦した企業』

どこにその分岐点があったのか。
21卒採用を振り返ってみます。

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説明会はどうだったのか。

学生側の活動量(参加する会社説明会の数)は、昨年と比較して減少傾向にあるようです。その要因として大きいのは、説明会に参加するターゲット企業を2月末までに絞り込めている学生が増えたことでしょう。早期に採用活動を行う企業が増え、インターンシップや各種媒体など様々な方法で「情報収集」が可能になったことで、学生側の絞り込みが早まりました。

ただ今年はイレギュラーな年でした。緊急事態宣言により対面での説明会が行えなくなった企業側は一斉に「WEB開催」に切り替えました。

この「WEB説明会」のメリットは、
・遠方の学生も参加しやすい
・交通費や宿泊費の負担がなくなり、気軽に参加出来る
といったことでしょうか。

学生側にとってこの就活に対する費用負担の軽減はとても大きく、結果として、一部の企業では例年以上に説明会参加者数が増えたということもあったようです。

一方で、この「WEB説明会」に対して、学生からの不満があったのも確かです。

実際の本社や働く場所、社員の雰囲気を自分の目で確かめて、それを企業選択の重要な要素にしていた学生も多かった。それが出来なくなった学生の不満と迷いをいかに解消していくか。それは今後の大きな課題だと思います。

面接はどうだったのか。

説明会同様、大企業の多くは「WEB面接」に切り替えました。初めてのWEB面接で運用に苦労したと言う企業様も多かったと思います。ただ、中小企業も含めた全体で見ると、52.4%は対面での面接を継続していたようです。

このWEB面接の普及により、オンラインでの「難しさ」が表面化されました。
対面では見ることの出来ていた、その場の空気感や入室の表情/ 醸し出す雰囲気/自信なども大切な選考の要素だったと思います。それらがWEBでは判断できなくなったという痛手があります。

今後、対面で得られていた情報をどこで得るか、もしくは不必要なものなのか。それを各企業で吟味しなければならないでしょう。この新しい形式の中でいろんなことを再定義していく必要があるかもしれません。

学生から見ても、インフォーマルな情報を実際に目で見て確かめるということがあったと思いますが、それが出来なくなってしまいました。学生自身の声として、このコロナ禍でもせめて最終選考は対面を希望している声が多かったようです。

ただ、学生/企業側の双方でコストが削減出来ているのは間違い無いです。就活費用という面で選考参加に対するハードルは下がったと言えます。

今後の課題は、一度も直接会っていない学生に内定を出している企業ですね。いかにミスマッチを防いできたか、情報不足からの辞退をいかに食い止めるか。企業側には、学生の不安を解消してあげる取り組みが必要になりそうです。

結局、21卒採用に成功した企業の特徴は?

大きな特徴としては、下記2つが言えるのではないでしょうか。

●インターンシップ期間に学生を確保できていた企業
この期間だけで、採用予定数の7・8割ほど目処が立っていた企業もあったのではないでしょうか。3月以降の混乱にあまり影響を受けなかったと言えます。

●採用のオンライン化に迅速に対応できた企業
実は、こうした時代の変化/新しい取り組みにいち早く対応できた企業を評価し、志望度をあげたと言う学生のアンケートもあります。今後も、こういったスピード感を持った企業側の対応は、学生から厳しく見られていくと思います。

記事中に出てくる数値については、「新卒採用サポネット」さんを参考にしました。

https://saponet.mynavi.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/2021_soukatsu_Part1-2.pdf

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